核兵器使用の危機・脅威、回避に向けて
核兵器廃絶に向けた活動に取り組んでいる若い人たちのグループ「一般社団法人かたわら」代表の高橋悠太さんのお話を聞きました。高橋さんは広島県福山市生まれの25才で、中学1年生のときに被爆者と出会い、核問題に関わるようになりました。「かたわら」という名称には、「核兵器をなくそうとするあなたの傍らに」という意味が込められています。
「かたわら」では、若い世代への教育が大切だと考えています。小中学生向けの教育プログラム「タイムトラベラー」で、被爆者の証言を基にイメージワークを行い、実際の戦場では軍隊は目の前に傷ついた少女がいても「一般人は後回しだ」という現実を疑似体験します。また、逗子市、西東京市、市川市の青少年広島派遣事業のコディネートを担当しました。若い世代には、先行世代が決定したことではないかという反感と、若い世代が政策決定の場に関与できないという違和感と、自分たちでつくろうという社会正義に基づいた意思があるということです。会場に集まったのは、私も含めて高齢者がほとんどでしたが、自分の意見を主張するだけでなく、若い世代と真摯に向き合うことが大切だと思いました。
地方議員や国会議員、外務省へのロビー活動、G7や国連「未来サミット」、核拡散防止条約(NPT)の会合などでも政策提言を行っています。NGO・NPO、学生団体、環境団体等と連携したワークショップも実施しています。核戦争を望む人はいないので、意見の異なる人たち、核抑止力を唱える人たちとも対話を重ねることを大切にしています。
昨年、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)が、ノーベル平和賞を受賞しましたが、核戦争のリスクは冷戦後最大になっていると国連事務総長は言っています。7年間で世界の核兵器は3.7%増加し、核兵器総数は12,000発以上、より使用しやすい小型化が進んでいます。
日本では、90%以上の自治体が「非核宣言」をしていますが、非核三原則「持たず、作らず、持ち込ませず」のうち、「持ち込ませず」は有名無実と言わざるを得ません。1975年に神戸市は、神戸港に寄港する外国軍の艦船に「非核証明書」の提出を義務付ける「非核神戸方式」を市議会で可決しました。その後50年間、米軍の艦船は神戸港に入港しませんでしたが、今年3月に米掃海艦が非核証明書を提出せずに入港しました。日米両政府は「核兵器を搭載していない」と述べたそうですが、これが前例となってなし崩し的に「持ち込み」が進んでいくとこが懸念されます。
日米一体化した軍備増強が進み、「核はもっとも安上がりだ」と発言する政治家まで出現し、核兵器禁止条例の批准からはますます遠のいているような政治状況ですが、私たちは若い世代と連携して、諦めずに粘り強く意思表示し、行動していくことが大切だと、思いを新たにしました。

