山中横浜市長のパワハラ問題

今年1月に当時の人事部長が会見で告発した山中市長のパワハラについて、第三者委員会の調査報告書が発表され、告発内容のほとんどを事実であると認定しました。「飛ばす」「粛清」などと人事権を乱用した圧力、「ポンコツ」「人間のくず」など人格を否定した発言、怒鳴る、書類を投げつける、銃を撃つしぐさ、市長室への出入り禁止など精神的・身体的苦痛を与える行為など、「パワハラの最たるもの」と断じています。職員の士気低下や人材の流出につながりかねないとして、今後に向けては、特別職を対象とするハラスメント防止条例の制定や独立した第三者委員会の整備などを提言しています。

これに対して、山中市長は、「自らが乱した問題を自ら正す」として続投を表明、告発した幹部職員には「自分の言葉遣いが十分でなく、大変ご不便かけたことを深く反省するとともにおわび申し上げる」と謝罪しました。しかし、この発言は、第三者委員会が指摘した根本的な人権意識の欠如や傲慢さを自覚して反省しているものとは思えません。

市長選での磯子市民ネットの対応

磯子市民ネットは、2021年の市長選では、山中氏を推薦しました。推薦の理由はカジノ誘致反対の一点でした。9人の立候補者が乱立し、カジノ誘致反対を表明した候補者は5人でした。正直なところ山中氏の立候補は唐突で、どのような人物なのかよく分かりませんでしたが、勝てる候補者として推薦を決めました。当初から「コロナの専門家」という触れ込みなどには、疑問視する声がありました。

2期目は推薦せず

2025年の2期目の市長選では、磯子市民ネットは山中氏を推薦しませんでした。結果は山中氏の圧勝でした。立憲県連支持、自民県連支持、公明横浜総支部支持、連合神奈川推薦、共産党は候補者を擁立せず、さらに後援会会長は医師会会長、副会長は港運協会会長、相談役に商工会議所会頭と横浜港振興協会会長の藤木幸夫氏(「ハマのドン」と言われ、山中市長実現の功労者)という体制でした。この「オール横浜」体制が、市長の横暴をさらに助長したのではないでしょうか。

報道機関への介入に通じる傲慢さ

私たちが推薦しなかった要因の一つが、「新聞報道への介入問題」です。2024年に横浜市は5つの報道記事に対して「削除や公平性を求める」文書を交付しました。10/25の共同通信の「東京から横浜に引っ越したら保育料が2倍!」という記事に対して、横浜市の保育料がことさら高いという印象を誘導するとして削除を求めました。11/20と12/11の神奈川新聞の横浜国際プール再整備計画案に関する記事に対しては、プロバスケットボールBリーグ「横浜ビー・コルセアーズ」のための再整備という一方的な見解で、読者に偏った印象を与える内容だとしています。12/5の神奈川新聞の「開かれた横浜市庁舎を求める会」の請願書提出に関する記事に対しては、極めて一方的で読者に誤解を与えかねないと言っています。12/10の山下ふ頭再開発検討委員会に関する神奈川新聞の記事に対しては、事業計画等へ市民参加の在り方について委員会の少数意見を重視した記事内容だとしています。

山中市長は当初、市の文書の存在は知らないと自らの関与を否定していましたが、1/22の定例会見では、「抗議文ではないというのが文書を見た印象」「疑義があった場合あるいは市民に誤解を与えるような表現があった場合に質問することはあってもいい」と述べています。報道内容に事実誤認がないにもかかわらず、自分たちの意に沿わない、気に入らないからと市がクレームをつけ文書で回答を求めるという行為は、「忖度」の強要につながると思います。文句を言われないような表現にしようということになりかねません。公権力による圧力と受け取られる行為は慎むべきです。

職員主導でこれらの行為が行われたと思えません。市長の意向を忖度したのではないでしょうか。パワハラに通じる傲慢さを感じます。

市議会の対応は?

二元代表制の一方である市議会は今後どのように対応するのでしょうか。維新の会市議団は不信任案を提出すると言っているようですが、この間の市議会の動向についても、人権意識には疑問があります。

2024年に制定された「横浜市こども・子育て基本条例」には「権利」という文言が一切明記されていません。これは議員提出議案であり、賛成多数で可決しました。

2025年には市議会の傍聴席に監視カメラが設置されました。団長会で日本維新の会・無所属の会が提案し、賛成多数で決まりました。全国の自治体でも前例がありません。傍聴するには住所・氏名を申請書に記入し、禁止事項がさまざま定められています。市民が議会を監視するべきであって、その逆はあってはならないと思います。

市議会では、8/13の総務委員会で市長への質疑を行うということですが、今後、市議会が市長のパワハラにどう対応するのか、見守っていきたいと思います。

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